北緯34度44分30秒 東経135度31分30秒
この付近の歩道で
鴉の臨終に立ち会ったことがあります。
ビルに激突したのか、鴉が歩道に倒れていました。
別の鴉が、電線に止まりながら助けを呼ぶような声を出していました
その時は携帯電話が手元にあったので
調べて二カ所に電話を掛けました。
一カ所は「野鳥の会」とかそんな感じだったと思います。
もう一カ所は保健所だったような気がします。
「鴉ですか……鴉でしたら、こちらで保護する、ということはありません」
というような内容の電話をしていた時に
「だめですか」
と、僕が電話に返事をしたその時
鴉は大きな呻き声と共に大きく身震いをして
そのまま動かなくなりました。
まるで、僕の話している言葉が分かるかのようで
鴉は、最後の気力を振り絞って「自死」を選んだかのように思えました。
何メートルか距離を取って電話をしていましたが
もう少し、傍にいてやれば良かったな思ってます。
その時の僕は人の目を気にすることが念頭にありましたが
その日以降、人の目を気にするのをやめようと
そう思うことが増えたのは確かです。