nubird / peperonia’s blog

月のテレポーテーションに小指を引っかける人の物語

剣道と藤原先生

中学生の頃

 

"買い食い疑惑"で

 

藤原先生に見つかった僕は、剣道部の練習場、つまり道場に連れていかれ

 

正座をするように言われ、正座をしたまま

 

「なんで買い食いをしたんだ」と言われましたが

 

(確か、土曜日は大学に併設の店で物を買ってもいいはずだけど

こう言われてる以上は、そういう言い訳みたいなのは良くないな……道場だし……)

 

って事で、ずっと正座をしたまま一言も発さずにだんまりしていました。

 

「お前、剣道部に入れ」

とも言われていました。

 

正直、「入ってもいいかな……」とちょっと思ったのですが

道場の空気を見る限り、僕みたいなフリーダム野郎には場違いな気がしたので

それについても、だんまりしていました。

 

やがて、中等部の先輩が来た後で

「先生、土曜日は買い食いしてもいいはずですよ」って感じのことを

告げてくれたお陰で

 

僕はそのまま解放されました。

 

たぶん、その先輩は嘘をつくような人ではないから

たぶん、その一言で藤原先生は自身の非を理解したのだと思いますが

 

その時「なんでお前、それを言わないんだ」みたいなことを言われましたが

それについても、僕は何も言いませんでした

 

 

 

時は流れて卒業後、母校で藤原先生と会うことがありました

 

「無責任なことを言うが、10年ほど山籠もりでもして何か本でも書いてほしい」

 

という感じのことを言われました。

 

 

 

あれから10年ぐらいは経過しています。

 

何か本でも………書くかもしれませんね。

 

 

山籠もりというのは、物理的に世俗から離れることで精神的に独居を極め

今の時の世の影響を受けず、いついかなる時世でも通用するだけの

普遍的価値を常時保ったままに自分を置いておくこと

 

だと思いますが

 

色々あってそんな事許してくれそうもないので(お金もないしな!)

 

僕は世俗の只中で、精神的な独居を確保しようと思います

 

 

不思議なことに剣道にはその後も、高校時代に後輩に

「剣道の同好会があるんですけど入りませんか」

的なことを言われ、都合、二度誘われていることになります。

その時もなんか理由をつけて断ってますが

「剣道ならやってもいいかな……」とは、その時も思いましたが。

 

 

今になって、なぜ自分が断ったのかというと

 

僕には「型なしの型」が必要なんだろうなと思います

 

無型とはちょっと違います。