なんなのか。
当たり前ですが、男子の一番最初に生まれた者が、長男です。
僕は次男で末っ子です。
長男とはなんなのか
それを自分が理解したのは、兄の小学校卒業後、中学校入学前でした。
その時、家族に加えて祖父はいたと思います。
一緒に食事をすることになりました。
場所は宝塚の栄町に当時存在していた『北京』という中華料理店です。
今はもうありません。
予約をしてあり、上階まではエレベーターで上がったのを覚えています。
その時、祖父が兄に対してお祝いだとして腕時計をプレゼントしていました。
その時の、その場の『空気』は
決して、祖父が僕には渡さないであろう空気でした。
これがつまり、祖父からみた長男の長男
跡取りとしては「長子を取る」が正来だと言われていますから
正当な流れということになりますが
正当な流れを汲む、その流れに対する「空気」です。
清められた神社にある空気と類似のものがあります。
「ああ、この空気は決して、僕に渡されているものではなく
この空気は、祖父が兄に対して用意した空気なんだな」
一抹の寂しさと共に、長男とはなんなのかを理解した時でもありました。